2012年6月29日金曜日

ウクレレ作ったぞー! 製作過程 part-2


パート1に続き後半戦のパート2。

完成までの道のりを書いていきたいと思います。
おおまかな工程としてはブリッジ取付け→塗装→ペグ取付け→弦張り→完成!!
となります。

ではさっそくいってみましょう!
上記ではブリッジ取付けと書きましたが、
正確には取付けてしまってからでは塗装しにくいのでブリッジを置く場所のマスキングをします。
塗装せずにイラストを書いたりシールを貼ったりする場合は取付けてしまっても問題ありません。
どっちにしてもまずはブリッジ位置を正確に出す必要があります。
ここを適当にやってしまうと音痴なウクレレになってしまうので慎重に。
ボディのセンターと12フレットから177mmの位置にブリッジサドルが来るように
マスキングしたボディにガイド線を入れます。



ブリッジのセンターも出してサドルの位置を合わせてブリッジを仮置き。
位置が決まったら外周をマーキングして切り出します。
塗装する場合はマーキングした線よりほんの少し内側で切り出すのがポイント。
ブリッジが載る部分は塗装しないのでブリッジより少しでも大きく切り出してしまうと
最終的に塗装してない部分が見えてしまいブサイクさんに。



マスキングが完了したらいよいよ塗装です。
今回は単色でいくのでサウンドホール、指板、ブリッジにマスキングを施します。
塗料が染み込まないように際はきっちりマスキングテープを貼ります。
少しでもテープが浮いてると塗料が入っていくのでしっかりと確認を!



ガレージに簡単な塗装ブースを設置。
クリーニング屋さんでもらえる針金のハンガーを
ペグ穴に通すとやりやすいかと思います。



スプレーで塗装します。
ホームセンターなどで簡単に手に入る木材用スプレーです。
コツとしては一回で仕上げるのではなく最低でも3回は吹きます。
全体に薄く吹いて乾燥を繰り返します。
一回で大量に吹くと塗料が垂れたダマ状態で乾燥してしまったり気泡が入ったりします。
ここは焦らずのんびり時間をかけてやりましょう。





完全に乾燥したら次の工程に入りますが
僕はマット仕上げ&レリック加工したかったので
塗装した上からサンディングしていきます。
表面は#600あたりで力を入れずに同じ方向にサンディングして
角は塗装がはがれて木材がちょこちょこ顔を出すように。



乾燥してマスキングを剥がすといよいよ終盤!
ブリッジをマウントします。
part1でも書きましたがブリッジの場所は音程に直結するので
最後にもう一度確認して慎重にマウントします。
ブリッジもボンドで接着なんですが強度を足すために唯一ここはビスを入れろとマニュアルにあります。
下穴なしでもビスは入っていきました。
電動じゃなくて手回しでも簡単に入ると思います。




そして最後の工程!
ナットをボンドで装着してペグを取り付けます。
この作業は簡単でマニュアル通りで進行出来ます。
ペグのパーツ点数も5点と少ないです。




キットに含まれている弦をドキドキしながら張れば完成♪
いっちょまえに見えるよう赤いクッションの前に置いてやりました(笑)
参考程度に完成したウクレレで動画を上げておきました。


サスティンがあまりないですがちゃんと楽器として機能してます。
正直、キットの楽器ってどうなんだと思ってましたが
思ってたよりしっかりしてます。

part1の冒頭でも書きましたが、
本来は子供たち向けのワークショップの試作で作ったのですが
刃物を使う場面も多くありますし、ミリ単位での作業もあるので
きっちり作ろうと思うと大人の手が相当必要です。
これでは気付けばお父さんの工作になるパターンなので
ワークショップではこれより一段簡単な半完成キットでやってみようかなと思っています。
(そちらの方も一度試作してみて確かめてみたいと思ってます)

出来上がったウクレレは教室に置いてあるんですが
それを見て触った生徒さんも参加したいと言っていただいてるので
早めに詳細を出していきたいと思います。


けっこう工程が多かった今回のウクレレ作りですが、
弦楽器の基本的な構造を知る事も出来るし、
なにより自分で作った楽器で音を奏でるというのはステキな事やなと思いました。

もし興味があって作ってみたいって方おられましたらどんどんご質問ください!
出来る範囲でお手伝いいたしまーす!

ウクレレ作ったぞー! 製作過程 part-1


夏休みに教室でウクレレ作りのワークショップを企画しておりまして
講師陣ふたりで試作してみました。

小中学生の夏休みの自由課題にどうですか?みたいな感じで
売り出されてるHOSCO社のウクレレキット(難しさランク別で数種類あります)
今回使ったのはちょうどランク的に中間にあたるキットで
ネックとボディはそれぞれ形成済み、
ネックに指板を貼付けてネックとボディのジョイント、塗装やイラスト描き、
ブリッジ、ナット、ペグをそれぞれ取り付け、弦張りで完成という手順のキット。

とりあえず僕のは完成したので製作過程をまとめておきます。
twitter、facebookでは製作時リアルタイムでつぶやいております。
そちらの方が画像数も多くマニュアルにない細かい部分が分かりやすいと思います。
よければのぞいてみてください。

先に感想からいうと小学生がこのキットでピッチの合ったしっかりしたウクレレを作るのは無理(笑)
ある程度楽器の事がわかる大人が一緒でないと相当ツライです。
以前、教室に通ってくれてたキッズの生徒が夏休みの宿題でウクレレ作ってたけどようやったなぁと。

というわけで
マニュアル以外の過程も踏みますが、パート1いってみましょ!


まずは箱を開けるとこういう状態。


キットの部品とマニュアルと簡単な楽譜が入っていて
完成した後のケアも一応してあります。
「誰でもすぐ弾ける」と書いてますがそこまで親切な内容ではありません(笑)

ではさっそく製作に入ります。
まずはボディ、ネックをサンドペーパーでゴシゴシと研磨していきます。
マニュアルでは#120、#240、#320の順番で研磨とあります。
研磨作業は番手を上げていけばいくほど仕上がりはキレイですが
キリがないので自分の中の納得と妥協が点で結ばれたらやめ時です。




次は指板にポジションマークを埋め込んでいきます。
指板の左に写ってる錠剤みたいな白いのがポジションマーク。
プラスチック素材です。



少しだけボンドを入れて埋め込むのですが
ほんの一滴だけにしておかないとはみ出して汚くなるので注意。
また埋め込んだポジションマークは指板と高さが合いません(マニュアルにもそうあります)
ポジションマークが出っ張った状態になるので
指板に傷がつかないようマスキングして出っ張りをヤスリで削り取ります。
弾き心地に影響するので出来る限り凹凸なく平らにします。
画像右が完成。ツルツルです。




指板が完成するといよいよボディとネックのジョイント。
画像のようにどちらにも穴が空いており、
そこに打棒を差し込んでジョイントするのでセンターは自然に取れます。
ただこの打棒さん、穴の内径と合ってない上に長さも合ってませんでした。
大人のチカラでねじ込んでもきっちり入らないほどだったので
少しずつ削ってアジャストしていく必要があります。
また長さも合いませんのでこちらも削って合わせる必要があります。
接着はボンドだけですが打棒があるので大丈夫なのかな。



無事にジョイントしたと思ったんですがまたまた問題発生。
ボディの厚さとネックのジョイント部の厚さ(高さ)が合いません。
表裏ともにネックの方が出っ張ります。
これも一応マニュアルには出っ張るよとありますが出っ張り過ぎちゃうかな....。



裏側の出っ張りはカッターで削り取りサンドペーパーで研磨。
カッターでも意外とサクサク削れました。
表は削り過ぎは絶対ダメなのでサンドペーパーでゴシゴシ。コツは根性。
これでやっとウクレレのカタチになりました。



次はネックに指板を貼付けるんですが少し寄り道。
指板のボディにかかる部分がそのままだと味気ないので
糸ノコでカットしてオリジナリティを出したいと思います。



カタチを決めてマスキングした上からラインを入れて切り出します。


切り出したらまたまたサンディング。
製作過程のほとんどがサンディングですね(笑)
”寸分狂わずキッチリ合わす”、”木目をキレイに仕上げる”
木材を使った楽器ってそういうモンなんだなと改めて思います。
そんな事を考えつつサンディングして完成。



寄り道終了したのでネックに指板を貼付けます。
ボディと指板、それぞれセンター出しをしてぴったり真ん中にくるように。
これも貼付けはボンドです。



ネック、指板ともに完全に水平ではないので少し浮いてしまいますがボンドで強引に吸着させます。
マニュアルには接着後、当て木を置いて固定とありますが
当て木がないので荷造り紐をガチガチに縛って固定させました。



ここまで来ると完全に見た目は普通のウクレレ。
ペグやブリッジなど所々パーツが入ってないのが逆に自分で作ってるなぁと実感出来ます。
マニュアル通りにいかない箇所がいくつかありましたが
遠回りしたぶん愛着も湧いてきます!


ここまでくると後半戦に突入!
パート2に続きます。

2012年6月10日日曜日

新しい事をはじめてベンキョさせられました!


なんだかんだしてる間に梅雨入りジャパン。
生活する上であまり歓迎されない季節の到来です。
そして楽器演奏者の皆さんは楽器の管理にも気をつけましょう。

エレキギター、アコギ、ベース、ウクレレなど木で出来ている楽器は
湿気の高いこの時期、どんどん水分を吸っていきます。
特にネックは水分を吸うとどんどん反って、最悪バナナみたいになってしまいます。
またペグやブリッジなどの金属パーツも錆びやすくなりますし、
弦もすぐに錆びていきます。

対処としては楽器を置いてある部屋の湿度を管理するのが一番ですが
誰でもがそういう環境ではないと思います。
簡単に出来るケアは弾いた後に弦や指板、金属パーツをしっかりクロスで拭いてケースに片付けてあげる。
そして雨の日は楽器を置いてある部屋の窓は必ず閉めましょう。

これだけでかなり楽器の状態をキープ出来ます。
1年のうちのたった一ヶ月ほどなので面倒くさがらずに実践してくださいね。



ちょっと話がズレますが
最近、バンドマンの友人や生徒さんに感化されて自転車を購入しました。
ブレーキがついてないと話題になったピストバイクってやつ。
もちろん僕は公道を走るのがメインなので前後ともにブレーキつけました。
こんなんです。



かっこいいでしょ?
って別にチャリ自慢がしたいワケじゃなくてですね、
僕は中学以来自転車に乗らない生活をしてたので
自転車に関しては全くの素人と言っていいレベル。
先日、ワイヤーの鍵を買いに一人で自転車屋さんに入ったんですが
鍵だけで用途別に種類や色など山ほどある。
店員さんとあまり上手に話せるタイプじゃないので一人で色々見てたんですが
見れば見るほど、どれを買ったらよいのか分からなくなってきて
結局、好きな色だけチョイスしてこれでええかってのを不安まじりに買いました。

そして帰り道で思ったんですけど、これって楽器屋さんにも通ずるものがあるなぁと。
何事も新しい世界に飛び込んだら知らないことだらけで
一つ一つ知っていくことがすごく楽しくてワクワクするんですけど
何か欲しくてその専門店に入ると逆に自分の知らないものだらけの空間に圧倒されてしまう。

例えば、
ギターは買った。でも他に何も持ってなくて、あと何が必要なのかとネットで調べる。
ピックがいる。シールドがいる。チューナーがいる。替え弦もあったほうがいい。
どこの楽器屋がいいか再びネットで調べてとりあえず行ってみる。

レジの前には色やカタチが違うピックが山ほど置いてある。
シールドは安価なものから高価なものまで山ほどあるし長さも色々。
チューナーだってクリップ式から高価なラック式まで色々。
弦も同じように色んなメーカーの色んな太さの弦がある。

どうやって買ったらいいんですかコレ。

もう何年もギターをやってるけれど
いまだに楽器屋に入るのがコワイし戸惑うって女性の生徒さんがウチの教室にもいます。

僕はコンビニ入るくらい気楽に楽器屋に入れますが
先日の自転車屋では自転車初心者の僕にとって上記のようにだいぶテンパりました。

今から楽器をはじめる、またははじめてすぐの初心者さんの気持ちが本当によく分かりました。
生徒さんが楽器を買いに行く時は「ついていくよ〜」っていつも言ってますが
それだけじゃあかんし、これからギターをはじめる生徒さんに対しては
丁寧すぎるぐらい丁寧に対応しないとなと痛感しました。

そして生徒さんは僕たち講師が困るぐらい質問してください。
プレイに関してはもちろん、エフェクターでも理論でも楽器の事でも
音楽にまつわる事ならなんでも。
それが質のよいレッスンを生み出すのは間違いないし、
講師も普段からしっかり勉強しなくちゃという気持ちが強くなります。

先日、ベースをやってる洛西高校の生徒さん達は本当にグイグイくる感じで
いっぱい質問してくれて嬉しかったし楽しい時間でした。


初心忘れるべからず。


常に心に留めておかなければいけないコトバ。
自転車をはじめるにあたって勉強させていただきました!


最後に最近ギターを買い替えた生徒さんが偶然にも二人いらっしゃったので
恒例の「ちょっとそのギター触らせてぇな」のお時間です。


まずはこちら。
レスポールスペシャル。



もうかれこれ年末ぐらいから買い替えを検討されてたけど
なかなかコレッ!って1本に巡り会えず、僕も一緒になって探したりしてたんですが
ついに念願の黄色のスペシャルをゲット!

カスタムやスタンダードとは違った音色で
もちろんシングルPUのP90がマウントしてあるからなんですが
スッキリシャッキリした音でレスポールである事を忘れる感じ。
いい音してました〜♪


そしてこちら。


どう説明しようか悩むけれど一言でいうなら余裕大人のテレキャス。
なんですか、このネックと指板の激キルトは。
ネックプレートにはビルダーのサインが入ってる大人のギターであります。

今、僕が一番欲しいテレキャスを先に買われてしまいました(笑)
音は言わずもがなで完成されております。
もうずっとカッティングしてたい音。


二人ともいいなぁ。
最近ぜんぜんギター買ってないなぁ。羨ましい!



というわけで! 
今日も長くなりましたが!

夏に向けてmj guitar schoolでは色々企画を考えています。
詳細が出ればまた発表していきますので楽しみにしておいてください!