2013年8月4日日曜日

mj guitar school ワークショップ 2013 今年はカンカラ三線を作ります!

まだブログという言葉がない時代やブログが台頭しだした時代は
webでの日記をアホかちゅうぐらい頻繁に更新してましたが、
本来の属性であるモノグサ性格が顔を出すようになってからは
モノを書くという作業がどうも苦手になってきましたこんにちは。
またまた久しぶり、夏真っ盛り更新となりました。
久しぶりに書くクセに読者様には全く優しくない超長文という感じで本日もお届けしたいと思います。
クーラーの効いた部屋でよく冷えたお茶でも飲みながら
ごゆるりと最後までお付き合いくださいませ。

では唐突に本題に入っていきます。

去年の夏休み、教室で初めてのワークショップ(ウクレレ制作)をやりました。
手探り状態で敢行したわりにはキッズを中心に楽しんでくれて
参加出来なかった人達からは、もっかいやってくれとの言葉をいただいたりして
今年も第二弾をやる事にいたしました!

作る楽器は”カンカラ三線(さんしん)”
去年よりも弦が一本減りました。この調子でいけば来年は二胡ですね。
来年の事はさておき
沖縄の楽器である”三線”のボディ部分の胴を缶で作るという
ワークショップにうってつけの楽器であります。
なぜ缶で代用するのかというと、実はこれには悲しい歴史があります。

簡単に説明すると、
昭和20年、太平洋戦争終盤に地上戦の舞台となった沖縄。
恐ろしい数のアメリカ兵達はたった数日で沖縄の一部を制圧。
何もかもを失い絶望の淵にいた沖縄の人達は
アメリカ兵から配給された缶詰の空き缶に棒切れを通し、
糸やパラシュートの紐を弦代わりに張って
三線の代わりにして演奏し歌を歌い、前を向いたと言われています。

単に銅を缶で簡易化したオモチャなワケじゃなく、
悲しみの中から前を向くために生まれた楽器なんですね。

そんな戦争の悲惨さを学びつつ今年のワークショップを開催したいと思います。
そんなワケでサンプルで一本作ったので制作過程を簡単に説明していきます。

キットからの制作なので素人では難しい部分は最初から加工がなされています。

キット全景






















パーツ点数は少なめで組み立てるだけなら2時間もあれば出来そうです。
がしかし!自称工作好きを謳っている以上、ホンキ出します。

まずはお決まりの木材パーツであるギターでいうネックの棹(さお)と
ペグにあたるカラクイのヤスリ掛け。
荒い番手から最終的には#1000あたりまでキッチリとツルツルになるまで。





















次は木材パーツの塗装に入ります。
カラクイの先にガンダムレッドで雑に色づけ。

マスキングテープをライン状にカットして巻き付け、上から黒スプレーで塗装。
一度で塗り上げるのではなく薄めに吹いて数度に渡って塗っていきます。

























次は棹の塗装です。
これは濃いめのオイルステインで木目を活かします。
こちらも塗る→乾燥の繰り返しで好みの色に仕上げていきます。





















次はボディにあたる缶の胴。
ここは自由度が利くのでシールを貼ったり塗装したりと個性が出る部分。
mjさんはインパクトで穴を開けてやりました(ここから苦労の連続)
頭でのイメージは固まってるものの設計図を起こすのに苦労しました。
まずは正五角形をどうやって描くんだというところから始まり、
紙には簡単に下書きは出来るけどアルミ缶にどうやって下描きするんだと。
コンパス必須なだけにアルミ缶への下描きに知恵を振り絞りました。
水性マジックを使えば缶への下描きは出来るけどコンパスが....。

100均にコンパスを買いにいきましたが、
最近のコンパスの鉛筆部分はどれもこれもシャーペン仕様。
コンパスの鉛筆をマジックに替えれば済むかなと思ってましたが一筋縄ではいきません。
別の100均でなんとか鉛筆版のコンパスを見つけましたが
今度は鉛筆を固定する輪っかにどんなに直径の細いマジックでも入らない。
プラスチックの輪っかを割れないよう、そっとそっと縦に切断し、
なんとかオリジナルの水性マジック仕様のコンパスを作製。
全工程の中でここが一番苦労したのは言うまでもありません。






















それでやりたかったデザインがこれ。

 



なんとか下描きが出来たのでインパクトで穴開け。4ミリで攻めてやりました。

どんどん開けていくと胴の強度が弱くなってきてしまい、
缶が少し凹んでしまいました。そして僕はその何倍も凹みました。





















穴開け加工が終わると缶に塗装を施していきます。
缶のエッジの部分と穴の裏側をマスキングをして黒で全塗装。
エッジ部分はガンダムカラーのレッドでチビチビと塗り塗り。





















これで塗装の工程は全部終了。

ここまで出来たら後はめっちゃ簡単!
ナットにあたる歌口をネックに取り付け、ブリッジにあたる糸掛けを取り付け、
ブリッジにあたるウマは固定ではないので弦を張りつつ弦の張力で自立させます。
弦楽器に所縁のない人ならサクッと終わる工程ですが
やはり気になる箇所がいくつか出て来て、
歌口(ナット)とウマ(ブリッジ)の溝調整などは必要でした。

そして完成したのがコイツ!

 


 




穴開けで缶が少し凹んだ以外はほぼイメージ通りに出来ました。
ちなみに穴の一つは光るんだぜ!






















ラジコン用に取ってあったLEDが穴と同じ4mmだったので裏から仕込みました。

チューニング(チンダミというらしい)は3弦からCーFーC(オクターブ上)となります。
他にも曲に合わせて変えていくみたいですが
レギュラー的な使い方はCーFーCでよいみたいです。
譜面は専用の譜があり工工四(クンクンシー)と言いますが、
現状、mjさん全く読めません(笑)
少し読む勉強をしてみましたが頭から煙出ました。

とりあえずチューニングさえ分かれば、あとフレットレスギターと同じなので
勘でなんとかなります。音感トレーニングにもってこいです。
しかも三線では和音を弾くという概念自体がないのか、
少なくとも僕が見た工工四は単音ばかりなのでわりと簡単に弾けます。
そこに琉球音階という、どう弾いても沖縄ぽく聞こえる音階があるので
それを適当に弾いておけば雰囲気は南国マンゴーちゅら海です(笑)
ちなみに琉球音階というのはメジャースケールのⅡⅥ抜きです。
key=Cでいうとドーミーファーソーシードになります。


はい、ここまで読んでくださってありがとうございます。
以下ワークショップ詳細です。

日時:8.25 2013(Sun)
   午後2時よりmj guitar schoolにて

特に持ち物などなく手ぶらで来てもらってもかまいませんが
ヤスリ掛け作業は外でやりますので
タオルやドリンク類、暑さ対策の帽子など応じてご持参ください。
また塗装する場合、
オイルステイン、黒の缶スプレー、細部を塗るマジックは教室で用意してありますが
貼りたいステッカーや塗りたい色がありましたら
各自で持参、または事前に相談ください。

特に生徒さんだけではなく、作ってみたい方や
夏休みの自由研究が終わってない焦り気味のキッズ駆け込みも大歓迎です。
沖縄へのキット発注になりますので申し込み期限は8月15日までとさせていただきます。
ご質問、お問い合わせなどもお気軽にどうぞ〜。

お申し込み、お問い合わせメールアドレス

楽器を自分で作るというのは楽しいもんですよ〜♪